ボウモア17年 43°
Bowmore 17-year-old 43%
香り:A
味 :A
入手:C
総合:B
ボウモア17年のレビューですね。このボウモアは現行の18年の前のラベルでカモメラベルと18年の間の極短い期間の物です。ネットとかでもあまり見かけないです。群馬に赴いた際に酒屋で見つけたので迎え入れた一本です。
綺麗なドレスを纏った女王様
原酒の構成は現行の18年と同様、シェリー樽メインの熟成でボトリングされています。グラスに注いでみるとしっかりと樽のエキスが出ているのか赤みの強いカラーで美しいですね。
漂う香りはやはりアイラ特有の「正露丸」ですが12年でも感じたのですが、ラフロイグやラガブーリンの様に露骨に「あの」香りが覆いかぶさってくるのではなく樽やボウモアのハウススタイルの様なニュアンスにプラスされて香るんですよね。17年は樽の影響が結構強く、シェリーのダークフルーツの香りに煙さが入り混じって感じるんです。一番近い香りとするならダージリンの紅茶の香りがします。(色合いに引っ張られたかな?)
先ずは、ストレートで飲んでみます。全体的に12年より各特徴が濃く感じますね。しっかり熟成されている証拠です。勿論、樽構成が違う為、バーボン樽の華やかなフルーティ感は無いのですがより潮っけのある出汁感はハッキリ感じ取れます。
飲み口はグッと濃いめの出汁にカカオ、レザー感、燻したアーモンド、鰹節と流れてきます、原酒はミドルボディといった感じでしょうか、キツ目な感じはなくリッチではあるのですがとても滑らかでシルキーな印象です。12年は女王とは程遠く、アルコール感も結構あった為、じゃじゃ馬姫ってところでしたが、17年とミドルレンジまでいくと女王感は出てきますね。ボディも重めではなく少々細いので、綺麗なドレスを纏った女王様ってところでしょうか。また、余韻が結構長めですね、シェリーの渋めの木の皮のニュアンスにほんのり潮っけのしょっぱさが上乗せされており、ん~、ビーフジャーキーとか、カルパスみたいな後味になります。
ロックで飲んでいきます。意外と潮っぽさが引いて甘さが引き立ちますね。流石はボウモアです、樽の良さが出ており多少氷が溶けてもぼやけることなく楽しめました。食後にじっくり楽しむにはいいかもしれませんね。(我が家ではロックアイスではなく、冷蔵庫の製氷なので直ぐ溶けるんです)
最後にハイボールでチャレンジです。・・・やっぱコレですね!むちゃくちゃ美味いですよ。
ボトリングの時期的にもソーピーが無く、シェリーのサルファリーもなかった為そもそも当りのボトルだったのかもしれないのですがネガティブ要素全くなく、香味共によく伸びて素晴らしいですね。香りはボウモアの潮っけに少しピート感が強く感じるようになります。恐らく、割ったことで樽感が弱まり原酒の特徴が表に出たんでしょうね、味はサッパリとして果物の皮(綿)、白系の花(バニラ系)最後に香ばしさが感じます。流石に余韻はスッと消えるようになってしまいますが次々に飲んでしまいますね。潮っけが利いているので、少し、レモンを足すかレモン風味の炭酸で割るとより良い気がします。
実はコルクが痩せており、開栓後はスカスカで別のコルクを挿したので、オールドにチャレンジする際は替栓があるといいですね。最近では各サイズのシリコン線がネットで見かけますよ。
最近はなかなか見かけないですが酒屋でプチオールド探しをしてみても面白いですよ。今回のボウモアの様にガツンとオールドボトルではないにしろ、掘り出し物が見つかるかもしれません。まあ、ウイスキーの楽しみ方の一つですね。
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